ポイント解説

交通事故の示談書2


<< 契約書作成ポイント >>

・事故と死亡者の特定をしておく。設例は、交通事故証明書の写しを添付してこれに代えるもの。
死亡の場合の損害賠償請求権者は、相続人に限られない。被害者の父母、配偶者、子は固有の慰謝料請求権をもつ(民法第711条)。
設例では、父はすでに死亡していることとし、母だけを当事者に加えた。

(第1条)
賠償金額を明確にする。
正確には、損害ごとに、請求権者ごとにそれぞれ賠償金額を明確にすべきではあるが、煩雑であるため、ある程度の項目分けをしてまとめて記載することも多い。

(第2条)
賠償金の受領は、本来、各請求権者が個別にすべきものではあるが、便宜的に責任者を決めることが多い。
自動車損害賠償責任保険からの保険金の扱いを確認しておく。
支払時期、方法等を明確にしておく。分割にした場合は、期限の利益の喪失、担保等についても規定するとよい。

(第3条)
他に債権債務のないことを確認しておく。
・未成年者が当事者の場合は、法定代理人たる親権者が署名・押印する。親権は、共同行使が原則だが、一方が行使できないときは、他の一方が行なう(民法第818条)。
・一般的に、示談書は警察署ならびに保険会社への提出用を含めれば、合計4通作成しておくとよい。
・交通事故に関する民事上の法律相談については、各都道府県弁護士会内に設置された交通事故相談センターを利用するとよい。相談料は無料。くわしくは事前に各相談センターへ問い合わせること。