ポイント解説

消費者から体調悪化を訴えられたときの
「検査報告書」のポイント解説

自社製品を食べたお客様から「気分が悪くなった」「吐いた」「腹が痛くなった」というような体調不調を訴える連絡をいただいた場合、どのように対応するか、これは悩ましい問題です。実際に製品に問題があった場合は大変なことで、公表・回収するのが真っ当で正しい対応です。

ただし、本当に製品に問題があったのか、という判断はむずかしいものです。お客様の体調によっては、「消化機能が一時的に低下していて胃にもたれた」「もともと体調が悪かった」というケースも考えられないことではありません。

「今日はどうも食欲がわかない」「脂っぽいものの臭いを嗅いだだけで気分が悪くなる」ということは、誰しもあることです。

先入観をもってお客様のせいにするのは心苦しいことですが、公表・回収は場合によっては会社の存続を左右します。直接的損失のほか、企業イメージの低下、風評被害による販売不振といったこともあるでしょう。「お客様の健康・安全を第一に、万が一を思い公表・回収する」ことは、善良で誠実な事業者でも躊躇するでしょう。

こういった体調悪化の連絡を受けた場合、どうしたらいいか、あくまで1つの考え方をご紹介します。これが正しいとは言えないかもしれません。非常にむずかしい問題なので、お読みになられた方がそれぞれお考えいただくようお願いします。

まず、知っておくべきことは、「症状はどの程度なのか」「医師の診察を受けたかどうか」「入院したのか」「症状を訴えているお客様はお1人か、複数か」といったことです。

「医師の診察を受けるほどではなかった」、あるいは「通院せずに体調が回復した」「症状を訴えているお客様は1人である」。以上の条件を満たしているような場合なら、回収は要しないと判断します。