ポイント解説

第2章 特定個人情報等の取得

第5条(特定個人情報の適正な取得)
収集した個人番号に誤りがあった場合の罰則規定はありませんが、番号法第16条により、本人から個人番号の提供を受けるときは、本人確認(番号確認と身元確認)が義務付けられており、また、個人情報保護法第19条により、正確性の確保の努力義務が課されています。

第7条(特定個人情報の取得時の利用目的の通知)
会社と役職員の間で発生が予想される事務であれば、あらかじめ複数の事務を利用目的として特定し、本人へ通知等を行うことが可能です。
個人番号関係事務は、本人から提供を受け、その個人番号を個人番号利用事務実施者に提供する事務であり、通常これらの事務を利用目的として示すことで、提出先は明らかになっていると解されることから、必ずしも個々の提出先を具体的に示す必要はありません。
また、個人番号の利用目的について、本人の同意を得る必要はありません。
なお、既に取得した個人番号を財産形成住宅貯蓄や財産形成年金貯蓄、職場積立NISAに関する事務のために利用しようとする場合、利用目的を変更して本人に通知または公表を行う必要があります。

第8条(個人番号の提供の要求)
いわゆる「内定者」については、当該内定者が確実に雇用されることが予想される場合(正式な内定通知がなされ、入社に関する誓約書を提出した場合等)には、その時点で個人番号の提供を求めることができます。

第9条(個人番号の提供を求める時期)
(第2項)例えば、役職員の給与の源泉徴収事務、健康保険・厚生年金保険届出事務等及びこれらに伴う給与所得の源泉徴収票、健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届等の作成事務の場合は、雇用契約の締結時点で個人番号の提供を求めることも可能です。

第10条(特定個人情報の提供の求めの制限)
役職員の出向に伴い、共有データベース内で自動的にアクセス制限を解除する等して出向元の会社のファイルから出向先の会社のファイルに個人番号を移動させることは、提供制限に違反します。

第11条(特定個人情報の取得時の収集制限)
「収集」とは、集める意思をもって自己の占有に置くことを意味し、例えば、人から個人番号を記載したメモを受け取ること、人から聞き取った個人番号をメモすること等、直接取得する場合のほか、電子計算機等を操作して個人番号を画面上に表示させ、その個人番号を書き取ること、プリントアウトすること等を含みます。一方、特定個人情報の提示を受けただけでは「収集」には該当しません。